部屋を契約するとき、不動産屋はお客さんへ仲介手数料を請求します。
仲介手数料は不動産屋のメインの収益なのですが、
実は不動産屋は他からも収益をあげるケースがあるのです。
この仕組みを知っていると、もっとおトクに引っ越しが出来るかもしれません。
仲介手数料の値引き交渉にも使えるとても有益な情報です。
広告料について知っておこう
全ての物件ではありませんが管理会社から不動産屋へ、
広告料(紹介料)が支払われる物件があります。
この広告料のことを不動産隠語で【AD(エーディー)】といいます。
ADの金額はだいたい家賃の50〜100%、高いものでは200%の金額が払われる物件もあります。
例えば80,000円のAD100の部屋の仲介をした場合
仲介手数料(お客さん)=86,400円(税込)
広告料AD(管理会社)=80,000円
収益=166,400円
ということになります。
なぜ管理会社は広告料を支払うのか?
大家さん目線で考えてみましょう。
賃貸物件は入居者がいて初めて収入になります。
空きっぱなしの部屋は1円にもならず、むしろ管理費だけかかりマイナスになります。
そこで大家さんは少しお金を出してでも、入居者を早く決めてもらいたいと考えます。
大家さんは管理会社にお金を渡し、1日でも早く入居者を決めるよう依頼をします。
管理会社はデータベースに部屋を登録する際、
【Aマンションは大家さんから広告料(AD)が出る物件ですよ】と登録します。
『ADが出るAマンション』と『ADが出ないBマンション』があるとします。
AマンションとBマンションで迷っているお客さんに、
不動産屋はどちらをオススメするでしょうか?
とくに今の時代は供給過多になっていることもあるので、
なかなか入居者が決まりにくくなっています。
ADを出してでも早く入居者を決めてほしいという大家さんの考えも、
少しわかる気がしますね。
専門用語を使って交渉をしよう
この仕組みを知ると『ADが出る部屋なら仲介手数料を無料にしてほしい』と思いますよね?
不動産屋もそこを突かれると嫌だなと考えています。
なので不動産屋はこのADという存在をお客さんには教えません。
そこで単刀直入にこんな風に聞いてみてください。
『この物件はAD出ないんですか?』
たぶん不動産屋は動揺します。
このお客さんはある程度不動産賃貸の知識があるのかな?
ADの仕組みを知っているなら仲介手数料を値引きしないとうちで決めてくれないかな?
と考えるでしょう。
このADの話と他社比較で仲介手数料の交渉がうまくいくかもしれません。
ADの出る部屋の見極めかた
ADが出るかどうかはお客さんが知り得る情報からはなかなか判断ができません。
一般的には募集資料の帯と呼ばれる下部の管理会社情報が記載されている部分に表記されています。
しかしほとんどの不動産屋はお客さんに募集資料を提示するとき、
帯の部分を自社の帯に変更して提示します。
どんな部屋にADは出やすいのか?
基本的には長期空室の物件にはADが出ることが多いです。
長期空室の部屋は家賃交渉できる可能性もありますので狙い目ですね。
どんな部屋でも必ずADを出す管理会社もあります。
ですがその管理会社を特定するには長年の知識と感覚が必要になりますので、
良い営業マンを見極めて真摯に相談するのが間違いないでしょう。
あえてADと隠語で説明してきましたが、このADの仕組みを知っているだけで、
おトクに引っ越しができるかもしれません。
『地方の親戚が不動産屋だから、ちょっとは不動産賃貸のこと知ってるんです』
的な雰囲気でいくと、案外なんでも教えてくれるかもしれません。
全ての物件にADが出るわけではありませんので、その点だけ注意してください。
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