部屋を借りるときにかかる初期費用。
あなたも部屋を探すときに【敷金】【礼金】という言葉を目にしたことがあると思います。
なんとなく認識しているこの【礼金】とはなんのことなんでしょう?
時代遅れの礼金制度
私は不動産屋ですが仲介手数料というシステムはなくなればいいと思っています。
それと同じぐらい礼金という仕組みもなくなればいいと思っています。
あなたも礼金が果たして何のためのお金なのか知ったら、きっと払いたくなくなるはずです!
礼金を払う風習の歴史
もともと部屋を借りる際に礼金を支払うという風習はありませんでした。
礼金とは字のごとく【お礼金】という意味です。
礼金を支払うようになった歴史には諸説あるようですが、下記二つが起源と言われているようです。
①関東大震災
関東大震災では多くの家が倒壊や火災にあい、たくさんの人が住む場所を失ってしまいました。
家を失ってしまった人たちは、家を借りたくても空いている家がなかったのです。
そんな状況の中、優先して家を貸してくれた大家さんにお礼として支払ったのが、
礼金の始まりだと言われているようです。
需要過多(借りたい>貸したい)な状況で、大家さんと借主の善意から生まれたのが礼金なのです。
②高度成長期
高度成長期になると地方の学生が単身東京へ上京するようになりました。
しかし現在とは違い、大学生が東京でひとり暮らしをするということはなく、
下宿先(大家さんと一緒の家)で大家さんと生活を共にしていました。
食事や身の回りのお世話も大家さんがしてくれていたようです。
東京のお父さんお母さんといったイメージでしょうか。
そんな下宿先の大家さんへ『子供をよろしくお願いします』という、
感謝の意味を込めて送ったお礼金から生まれたという説もあるようです。
こちらも借主の善意でお礼金を支払っています。
礼金の始まりはあくまで借りたい側の善意(お礼)がきっかけのようです。
しかし供給過多(借りたい<貸したい)の現代に、
部屋を借りるのにお礼金を払うなんて時代遅れもいいところです!
むしろ『借りてくれてありがとう』と礼金をもらいたいぐらいですね。
金に目がくらんだ不動産屋のやり方
今ではネットで情報がいくらでも手に入りますので、
このようなことは減ったと思います。(思いたいです!)
不動産屋が礼金を追加するという方法です。
本来【礼金0ヵ月】の部屋に不動産屋が礼金を【1ヵ月上乗せ】して契約をさせることがあります。
これを【のっけ】といいます。
もともと礼金0ヵ月で募集をしている部屋ですので、
上乗せした礼金は広告料(AD)として不動産屋に支払われます。
良心的な不動産屋の礼金交渉
よくある募集条件として、【礼金1ヵ月】で広告料(AD)が1ヵ月出る物件があります。
仕組みとしてはお客さんの支払った礼金を、そのまま広告料として不動産屋に支払うという条件です。
これは管理会社がこのように募集を出しているので、実質【のっけ】とは異なります。
ですがこれは不動産屋の善意で相殺することができます。
【礼金0ヵ月】にして広告料も0ヵ月ということになると、不動産屋は収益が1ヵ月分減ってしまいます。
しかし、そこまでお客さんのことを考え、尽くしてくれる営業マンにはまたお願いしたくなりますね!
好条件の部屋には今でも礼金はある
これだけ礼金を否定してきましたが、現在も礼金の支払いが必要なことが多いのが現実です。
特に好条件の部屋は需要過多(借りたい>貸したい)のため、礼金がつくことが多いです。
そんな場合は『ADがついてたら少しでも礼金と相殺してもらえませんか?』と不動産屋へ相談してみましょう。
本当に良心的な営業マンは力になってくれるかもしれません。
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